それ以上でも以下でもない

最近になって175Rの新曲やアミノサプリのCMにも出てくるフレーズなんだけど、確かにその存在意義をピンポイントで表すことに成功している。誰が発明したのだろうね。
ボクがそのフレーズを知ったのは海老沢泰久F1走る魂 (文春文庫)」という本だった。一番最後の締めくくりにこう書かれてある。
「彼(筆者注:中嶋悟のこと)は一九八七年のF1グランプリ十六戦に日本人として初めて全戦出場し、十戦を完走した。そして、サンマリノ、ベルギー、イギリス、日本の各グランプリで入賞し、7ポイントを獲得してドライバーズ・ランキングで十一位になった。全戦出場したドライバーは全部で二十六人だったので、彼の上には十人、彼の下には十五人のドライバーがいるということだった。
それが彼の成績だった。それ以上でも以下でもなかった。彼は世界で十一番目のF1ドライバーとして最初のシーズンを終えたのである。」
海老沢さん自体がスポーツ・ノンフィクションは勿論、小説でも明確ではっきりした文章を書く人ですけどね。
しかし「それ以上でも以下でもない」、今年の流行語になりそうな気がします。ただ浸透しすぎると流行として扱われないケースもあります、500ミリのペットボトルのように。ホント、誰が言い出したんでしょう?