AERAの記事「昔の『春樹』に会いたい」

http://opendoors.asahi.com/data/detail/7405.shtml
AERAを買うなんて、いっぱしの社会人みたいだ。
ということで、今回買ったのは表題の村上春樹に関する記事を読むためです。村上春樹に関してはおびただしい数の批評/評論が発表されています。しかしこの記事は、2006年において昔の「春樹」に会おうとしているという、非常に即時的なものである点において異端の試みと言えるのではないでしょうか。何より週刊誌という媒体で発表されているのがその証左でしょう。
中に書いてある文章は、一般の読者が人生で困難に出遭って、その時に村上春樹を読んで、どう思ったか(解決を図ったか)という大変興味深いものでした。「個人史と照らして読む」「他者との距離感測る」「悪意の時代だからこそ」…など、章区切りに置いてある小見出しも見事です。
村上春樹の作品は決して後ろから背中を押してくれる種類のものではない。だけど内側から不思議な力が湧いてくるような気がします。
あと「村上春樹の小説を読んだ後に、最もしたくなることは?」というアンケートがあるのだけど、第5位が「『やれやれ』と言う」でした。…やれやれ。