SPEEDER

石田ショーキチ主宰のロックバンド、「MOTORWORKS」のデビューシングルが明日発売になる。てゆーか、今日店頭に並んでいたので買った。

まず書かなければいけないのが、この曲は圧倒的な名曲ではない、ということである。軽く水準をクリアしているのだけれど、何かが足りない。逆にいえば、もっといい曲が書ける筈だろう?とツッコミをいれずにはいられないのだ。ボクの期待がでかすぎるだけかもしれないなぁ。せめて「エディサンセット&ブレイザーズのテーマ」(註)は超えてもらわないと困るのだ。

ところで、この曲での石田ショーキチは面白い趣向を凝らしている。田村のベースラインはまるでトーベンのようで、石田の手なりの真骨頂である。また、歌詞の「smile」で締めるあたりなどはスパイラル・ライフの「ANSWER」「PHOTOGRAPH」でも見られる手法であり、ガンコ職人ぶりをアピールしている。しかしサビにおいて哀愁漂う石田(コード)進行の上に流れる旋律は、3連符である。ボクは石田が3連符を使ったことがあるかどうか考えてみたが、思い出せなかった。無いみたいだ。しかし朋友の黒沢が代表作「KNOCKIN' ON YOUR DOOR」で使っていたのである。これは石田が黒沢に敬意を捧げたのか、それとも自己のソングライティングに新しい地平を見つけたのか。ただ、次のレヴェルにいこうとしているのは明確である。これからの展開には大いなる期待が持てる。

ちなみにボクは試聴でもリード・トラックでもピンと来ず、3曲目の英語ヴァージョンでやられてしまいました。で、1曲目に戻るとすんげぇいいの。さすが天才(なんてベタな締めなんだ)。

(註)L⇔Rのアルバム「LAND OF RICHES」(当時の黒沢健一の言葉を借りると「国宝級のポップスアルバム」)に収録されているインストゥルメンタル・チューン。ギターに当時スパイラル・ライフだった車谷浩司(現AIR)と石田小吉(現ショーキチ、笑)が参加しているクソ名曲。ぜひ1度聴くべし。