「午後の最後の芝生」を読んだ

今日の朝に失恋をして、夜にScudelia Electroの解散を知った。まったくひどい1日だ。それでもpcに向かってキーをパタパタたたいているのだからよく判らない。ただ書くことはセルフセラピーになる、それは判っている。

職場のpcで自宅宛に来たメールを読み、そして失恋を知った。とりあえず何をしたらいいか判らないので、缶コーヒーを買いに行って、飲んだ。机に向かってぼうっと考えた。「とてもいい人と思ったけれど…」要するに何かが足りないってことだ。そして「午後の最後の芝生」が読みたいなぁと強く思った。仕事が終わり、家に帰り、手を洗い、うがいをした。着替えるのが面倒だったので、スーツ姿のまま読み耽った。

この小説はボクが村上春樹の短編の中でいちばん好きなものだ。なんてゆーか、「僕」が「彼女」から別れの手紙をもらう。その内容が
「ある夏の朝、七月の始め、恋人から長い手紙が届いて、そこには僕と別れたいと書いてあった。あなたのことはずっと好きだし、今でも好きだし、これからも……云々。要するに別れたいということだ。」
「あなたのことは今でもとても好きです。やさしくてとても立派な人だと思っています。でもある時、それだけじゃ足りないんじゃないかという気がしたんです。どうしてそんな風に思ったのか私にもわかりません。(中略)あと何年かたったらもっとうまく説明できるかもしれない。でも何年かたったあとでは、たぶん説明する必要もなくなってしまうんでしょうね」
「あなたは私にいろんなものを求めているのでしょうけど、私は自分が何かを求められているとはどうしても思えないのです」
それでも芝生をとりあえず刈る。ただそれだけだ。

「それだけじゃ足りないんじゃないか」という感じはボクが自分に対して常に持っている。何が足りないんだろう?もはや自分が救いようのない人間に思えてくる。それでも生きていかなければならないのだ。がんばります。