「CDは株券ではない」マジで書籍化

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J-POPのチャートに詳しい方なら、近田春夫の「考えるヒット」という本のことは聞いたことがあると思います。音楽雑誌がヨイショ中心のなか、「良いものは良い、悪いものは悪い」という批評スタンスで「週刊文春」という社会的影響力の高い週刊誌で何年も連載されていたのだけど、書籍化が「6」で止まっているところを見ると、もう終わってしまったのだろうね。これを定本として宝島社が「音楽誌が書かないJポップ批評」を始めた訳で、まぁ音楽批評において確かな(しかしあくまでマイナーな)地位を築いたのは間違いないでしょう。
もし近田春夫の連載が終わったのならば(すみません、もう週刊文春は読んでないのです)、菊地成孔の連載が2003年の秋から始まったというのは非常に良いタイミングだったと思います。音楽家として質の高い音楽を創り、また文才もあり、連載当初はチャートに興味がない(それによって客観的視座からの文章が生まれるのだろう)。これらの点はあまりに共通しすぎています。俎上の音楽はどちらも編集者が選んでいるのも共通ですね。
ただ中身は近田の文章にはブレが少ない反面、菊地の文章は毎回毎回連載に臨む気概が違うのでどのように書かれるか判らない点が違います。星井七瀬嬢に対して「俺は喰える!」と言う批評家はなかなかいないと思われます(苦笑)。
連載はリアルタイムで第1回から読んでいるのだけど、やっぱり買うだろうな。最新回にある「僕が思ってたよりもずっとずっと、チャートミュージックのリスナーってのはイライラしてんだな」という記述など、興味深い記述が随所に見られた…筈だ。
発売予定の8月26日といえば夏の終わりです。それまでに何か面白いことがあるだろうか。