鈴木清剛「消滅飛行機雲」についての私見

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101264325/qid=1122088119/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/250-6657675-8277053
この人の代表作といえば三島賞受賞作であり、スクーデリア・エレクトロ好きの方にもおなじみの「ロックンロールミシン (新潮文庫)」ではないかと思うのですが、実はボクはそれを読んでません。デビュー作の「ラジオデイズ (河出文庫―文芸コレクション)」(文藝賞受賞作)を文庫初版で読んで、「まぁまぁ面白いけど、それでいいのか?」と思ってしまったのでした。で、「ロックンロールミシン」は読まなかった訳です。まぁ版元が河出から新潮に移ったのもあるけど(苦笑)。河出の装丁はきれいなのだ。長野まゆみを筆頭に。
で、今作を手に取ったきっかけですが、ボクは都心のショッピングモールにいて、「2000円で2時間駐車場代タダ」だったので、それの帳尻合わせです(苦笑)。菊地成孔の「サイコロジカル・ボディ・ブルース解凍」と「東京大学アルバート・アイラー」を同時購入するつもりが前者しかなく(前者も1冊しかなかった。あと「スペインの宇宙食」があった)、何か本を1冊買う必要性に迫られたのでした。雑誌でも良かったけど、無難に文庫新刊のコーナーに行って、タイトルの作品を買いました。

で、予想以上に良かった。巻末にまともな文芸評論の解説がついており、それにも耐えうる作家だったんだなぁと。出てくる人間がいいやつで不器用というのが良いのかもしれません。最初の2作品「ひかり東京行き」と「麦酒店のアイドル」が好きでした。
でも彼がメインストリームにいるのは変な気がします。「こういうものもあるよ」ぐらいの感覚で読まれるのがいいかもしれません。