Qlair「アイドル・ミラクルバイブルシリーズ Qlair Archives」についての私見

ボクは先週長距離のドライヴを下道で行いました。「ガソリンをどのあたりで入れようか?」と考えながら運転するのは、居酒屋でトイレの場所が判らないけど飲んでいるのと同じぐらい落ち着かないものですが、無事にガス欠もなく帰ってこれました。
ブックオフ巡りでQlairという90年代初頭のアイドルグループのCDを買いました。「レ・フィーユ」というキャリア唯一のフルアルバムだったのですが、気づけばiPodをやめてうっかり4回続けて回ったものだから、ボクの旅のBGMは彼女たちになってしまったという、ひどい話です(苦笑)。
彼女たちが現役だった頃というのはボクがアイドル歌謡というものに無条件に嫌悪感を抱いていた頃でした。作家さんのクリエイティヴィティを感じる頭がなかったのです。中学生が「西平彰氷室京介のソロワーク、ラルクの『Lies and Truth』などを手がけた)の編曲はすごいねぇ」と看板娘3人をそっちのけで語るのは(少なくともボクには)不可能でした。それでもCDでーたは読んでいたので、「コーラスワークはribbonより上なのにマスでは評価されていないグループ」という認識はありました。キューンも販促結構がんばってたと思います。雑誌で広告たくさん見たし。
つまり、ボクが彼女たちに感じたのは東京パフォーマンスドールのときに感じたものと同じシンパシーでした。それをなぜ今頃思い出したのかと訊かれたら、もう旅のせいにするしかないでしょう。
そして改めて表題のベスト(てゆーかコンプリート・ワーク)を買ってしまい、俎上に乗せた次第です。1人1人のヴォーカルはいささか甘い点もありますが(しかし合格点はある)、3人のコーラスは素晴らしい。これはソニーの先輩であるTM NETWORKのDNAかもしれません。とにかくこのハーモニーをアイドルがプロトゥールス以前に成立させていたというのは特筆すべきことです。そして売れないから解散した、というのが単純に悲劇で判官びいきを誘います。ほとんどの曲の歌詞が恋愛の初期衝動というのも「いかにも」という感じで良いです。十分5,000円の価値がありました。
グッバイ、サマー。