「チョコレート工場の秘密」についての愚見

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この夏はあまり新しい本が読めませんでした。というのも恩田陸の「三月は深き紅の淵を (講談社文庫)」を読んでいた(厳密には4年前に読んでいるため、再読となる)からです。400ページを超えるため、睡眠直前にしか読まないボクは…という訳です。
ところがそれに費やした夏は悪いものにはならないようです。「チョコレート工場の秘密」が「チャーリーとチョコレート工場」というタイトルで9月10日から公開されるからです。児童文学の傑作のようですけど、大きくなるまで(笑)知りませんでした。
「三月」と「チョコレート」の関係ですが、恩田陸が「三月」に「チョコレート」への想いを書いているのです。
それによると、チャーリーはものすごい貧乏。また、近くにとてもおいしいチョコレートを作るワンカ氏の大きな工場があるのだけど、誰がどうやって作っているのか従業員すら知らない。ところがその工場が世界で5人の子どもたちに工場を見学させる、一生分のチョコレート付きで。しかも選ぶ方法が世界中で販売される板チョコに5枚だけ金色の招待券を封入する(なんか森永チックだよなぁ、笑)。さぁ大変だチャーリー!という話のようです。
だから恩田女史が言ってるのは「チャーリーが五人目になるまでの、ダール(作者)のストーリーテラーぶりには今もって舌を巻く」ということであり、工場に入る前が面白いそうなのだけど、のりたんが言うには工場に入ってからが面白いということみたい。つまり「チョコレート」はめちゃくちゃ面白い話ってことじゃないか。
もう1日ある夏休みを使って平日の昼間に観に行くか、レイトショーで観るか、ということになりそうです。あと原作はいつ読むか…ということだけど、映画観てからの方がいいかな、と思っています。

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)」について

「三月は深き紅の淵を」という本にまつわる話で、四章立てになってます。まずプロローグとしてワンカ氏がチョコレート工場を実施することを掲載した夕刊を引用しています。第一章でその本は「どこにあるか判らない」ことになっていて、第二章では「誰が書いたか判らない」ことになっていて、第三章では「書かれる前の話」で、第四章では恩田陸の胸中(エッセイとも解釈できる)が書かれています。「チョコレート」についての想いが書かれているのも第四章です。第一章と第二章は恩田陸独特のどこか懐かしさのあるミステリーで、第三章は「夜のピクニック」にも通ずる学園ものとなっています。読むのに3週間ぐらいかかってしまいましたが(苦笑)、この夏読んで良かったなぁと思います。